取材/ストーリー
2025/04/07
【実録・ペットカメラ】シニア犬オーナーたちのリアルな活用術と意外な気づき

外出先でも留守番をしている愛犬の様子をスマホで見ることができるペットカメラ。
飼い主不在時の行動を把握したり体調面の異変や問題行動を記録したりと、その用途は多岐にわたります。
特に愛犬がシニア期であれば、健康面での「観察」が重要なため、ペットカメラを利用するメリットはより大きくなると考えられます。
実際「we DOG」編集部の独自調査では、7歳以上の愛犬と暮らすオーナーの33%がペットカメラの購入を検討していることがわかりました。
ペットカメラを利用しているシニア犬のオーナーたちは、どんなきっかけで導入し、どのように活用しているのか…そして、その効果はどうなのでしょうか?
購入動機や活用術、設置して良かったと感じた点などを実体験ベースで紹介します。
目次
【実用例】シニア犬オーナーたちのペットカメラ活用術は?

ペットカメラは様々な家庭、年齢、犬種、用途で利用されています。
愛犬の留守番を観察するために利用することが主な目的だと考えられますが、利用者の声を聞くと意外な気づきや活用法もありそうです。
ここからは「シニア犬との暮らし」での利用について、4つのケーススタディを紹介します。
[Case.1] 留守中の行動パターンがわかり快適な環境づくりができた

オーナーさんと2人で暮らすノックくん(トイプードル・推定10歳)は推定8歳のころに迎えた元保護犬です。
当初は顔に大きな腫瘍があり、歯周病で歯が1本しか残っていなかったというノックくんですが、現在は手術や治療を経て元気に暮らしています。
オーナーさんは勤務先がフルリモートから「週1回の出社必須」へと勤務形態が変更になったことで、ノックくんの長くなってしまった留守中を心配してペットカメラを購入しました。
■ノックくん(トイプードル・10歳)
・家族構成 :オーナーとの二人暮らし
・設置場所 :リビング
・カメラモデル:WTW-W1(塚本無線)
ペットカメラを導入しリビングに設置した結果、これまで知らなかったノック君の姿を知ることができたと言います。
それにあわせて、二人の生活にも変化があったようです。
■ペットカメラ導入後の変化
・留守番中のお気に入りの場所がわかったので、そこを快適にしてあげた
・外出先からエアコンを利用ができるようにした
・オーナーに精神的・時間的な余裕ができた
まずペットカメラの映像から、留守番中のほとんどを過ごすお気に入りの場所がわかるようになりました。
それを受けて、お気に入りのクッションの配置を変えるなど、留守中のノックくんがより快適に過ごせる環境を整えてあげることができたと言います。
また、「暑そうだな」と感じることもあったため、エアコンを遠隔操作できる仕様にしたそうです。

カメラの導入前は仕事中も「寂しくしていないかな…」と心配で、仕事が終わると「とにかく早く帰ってあげなきゃ!」と、急いで帰宅していたオーナーさん。
しかし、カメラのおかげで、その時間帯のノックくんはだいたい眠りながらご主人の帰りを待っていることがわかりました。
そんな時はゆっくり買い物をしてから帰宅するなど、精神的に余裕を持って過ごすことができるようになったそうです。
[Case.2] オーナーが就寝中の愛犬を録画できる

戸建てで暮らすミックス犬の才蔵くんは小さい頃から2階に上がることはなく、1階のリビングで生活しています。
夜も家族は2階の寝室で、才蔵くんはリビングで寝ているそうです。
オーナーさんは才蔵くんに関して特に気になることがあったわけではなく、10歳を過ぎたことをきっかけにカメラの導入を決めました。
■才蔵くん(ミックス・11歳)
・家族構成 :オーナー夫婦と高校生の息子さん
・設置場所 :リビング
・カメラモデル:Tapo(TP-Link)
ペットカメラには「暗視機能」があるものが多く、夜間や電気をつけていない部屋でも愛犬の様子を確認することができます。
オーナーご夫婦はともに帰りが遅くなってしまうことが多いため、暗くても画質の良いカメラを購入しました。
その結果、夜から朝にかけてリビングで寝ている才蔵くんが抱えていた「知られざるストレス」を知ることになりました。
■ペットカメラ導入後にわかったこと
・寝床であるケージ内の環境にストレスを感じていた
ある日、ケージを齧った跡があるのを発見し、前日の映像をよく確認してみたところ…深夜に才蔵くんが起きてケージ内にあったおもちゃやクッションに怒っているような動きをしていました。
そこで、不要なものをケージの外に出してスペースを広めにしてあげたところ、それ以降はケージを齧ることはなくなったと言います。
これは才蔵くんの話ではありませんが、ハイシニア期にもなると夜鳴きや徘徊といった行動が出てくることもあります。
シニア犬の場合は、夜間時の画質もカメラ選びの基準に入れると良いかもしれません。
[Case.3] 外出先からも声をかけて愛犬を安心させてあげられる

続いて紹介する柴犬のポンくんは、ご夫婦と1歳の赤ちゃんと一緒に暮らす10歳の男の子。
オーナーさんご夫婦は2人とも忙しく、留守番することが多いことからペットカメラを利用するようになりました。
■ポンくん(柴犬・10歳)
・家族構成 :ご夫婦と1歳のお子さん
・設置場所 :リビング(1台)
・カメラモデル:Wansview Cloud
特にポンくんはアレルギー体質であったため、「痒みのあるところを噛んだりしていないか…」と、仕事中も気にかけていたそうです。
購入目的は主に2つでした。
■ペットカメラの購入目的
・アレルギーの症状である痒みに対して問題行動がないかの確認
・不安な時にカメラを通して声をかけてあげたい
ポンくんはインターホンが大の苦手で、パニックのように興奮してしまうこともあるそうです。
しかし、オーナーさんが不在時にインターホンが鳴って興奮した時でも、ペットカメラの「双方向通信機能(マイク機能)」を使って声をかけると、落ち着いてくれるのだそう。
なお、この「声かけ」は外出時だけでなく、家の中の目が届かない場所にいるときも活用しているようで、オーナーさんがお風呂に入っている時にも使っているそうです。
例えば、入浴時にポンくんが苦手な雷やインターホンが鳴った時に声をかけたり、寂しそうにしているときは「もうすぐ上がるからね」と話しかけているのだとか。

ただし、オーナーがいないのに声が聞こえることにストレスを感じる犬もいるため、愛犬の様子を注視した上での利用を心がけましょう。
[Case.4] 動体検知通知ですぐに病院へ連れていくことができた
最後に紹介するのはマルチーズのジャックくん。
ご夫婦と2人のお子さんと一緒に暮らす11歳の男の子です。
ペットカメラを導入したきっかけは特になく、ガジェット好きなご主人がお試しで購入し設置してみたということでした。
■ジャックくん(マルチーズ・11歳)
・家族構成 :ご夫婦・お子さま2人
・設置場所 :リビング
・カメラモデル:Furbo ( FD031STG400)
ところが、実際にカメラを使ってみると想定外の効果がありました。
■ペットカメラ導入のメリット
・ケガをしたことにすぐに気がつけた
・危ない場所に対策することができた
・ほっこりシーンを見ることができた
ある日、ペットカメラからの通知でジャックくんがケガをしたことがわかり、慌てて自宅に帰ったことがありました。
すぐに病院に連れて行きましたが診断結果は骨折…3ヶ月ほどのギプス生活となったそうです。
その後、改めてカメラの映像を確認すると、リビングにある階段を登ろうとジャンプしたところ着地に失敗したことがわかりました。
これをきっかけに、ジャックくんが階段に近づけないよう柵をつけたほか、ジャンプをしそうな高さがある家具の配置を変更し、留守中でも安全に過ごせる空間をつくったとのこと。
また、ペットカメラを設置して良かったと感じたことがもうひとつ。
それは、外出先から、お子さんと一緒に過ごすジャックくんの様子をカメラ越しに見守っていたときのことです。
ジャックくんがお子さんのためにものをとってあげる様子や、机の角など危ない場所に先回りをして、お子さんがぶつからないように守ろうとしている姿が映っていたのです。
ペットカメラは、時に想定外の幸せを記録してくれることもあるようです。
ペットカメラ(見守りカメラ)を利用するメリット

4人のオーナーさんの経験談も踏まえると、シニア犬との生活においてペットカメラを利用するメリットは大きく以下の2つだと言えます。
■ペットカメラのメリット
・通知機能で急なアクシデントやその原因がわかる
・留守中の愛犬の様子がリアルタイムでわかる
通知機能があればアクシデントやその原因がわかる

多くのペットカメラには、愛犬が動いた際にスマホに通知を送る「動体検知&通知」機能があります。
そのため、前述したジャックくんのように「ケガをした」という状況を早期に察知できる可能性が高まります。
特に「動体検知機能」を使って自動で録画を開始するモデルであれば、ケガの原因までわかることもあります。
また、突発的なケガの他にも、例えば咳や嘔吐など体調の変化にも気付くことができます。
こうした映像により、愛犬に起こった出来事の詳細を把握できるだけでなく、獣医師に的確な状況を伝えることができるのは、些細な変化が病気や疾患につながりやすいシニア犬にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
留守番中の愛犬の様子や行動がリアルタイムでわかる

シニア期の愛犬を置いて留守をするとき、後ろ髪を引かれるような気持ちになったり、出先でも心配事は尽きないものです。
しかし、現在ではほとんどのカメラでアプリを利用し、スマホなどで愛犬の様子をリアルタイムで確認することができます。
また、録画した映像を帰宅後にゆっくり観ることも可能です。
いつもと違う点や問題行動、そして体調不良のサインはないか…自分がいない時に愛犬がどのように過ごしているのかは、ペットカメラ無しでは確認することができません。
また、好きな場所や水を飲むタイミングなど、これまで知らなかった愛犬の一面に気がつくことも多いでしょう。
何よりも、離れていても愛犬の様子を見ることができるのは愛犬家にとって嬉しいものです。
ペットカメラを利用することで、普段は見ることのできない愛犬の行動を知り、必要な対応をすることが可能になります。
今回紹介した4つのケーススタディでも、体調の変化や危険な場所を発見したり、見過ごしがちな愛犬のストレスに気づけたりと、多くのメリットがありました。
■ペットカメラ利用による具体的な効果
・ケガをした時の通知と原因の記録
・留守番中の環境改善
・ケージ内での就寝時のストレス発見〜改善
・愛犬が不安を感じている時の声かけ ,etc…
近年ではますます高機能化が進み、カメラ機能を持った自動給餌機なども存在します。
ただし、カメラ(LEDライトやカメラが動く音も)を怖がる犬もいるため導入・設置にあたっては愛犬の性格や設置後の様子をしっかり観察した上で適切に運用するようにして下さい。